最終更新日:2021年5月07日
緑内障をはじめとした加齢による目の病気やトラブル予防には、目に良い成分を積極的に摂取するのがおすすめ。目に良い成分の種類や働き、摂取方法などについて詳しくみていきましょう。
アスタキサンチンは、カロチノイド色素の一種で、魚介類(カニやエビ、サケなど)に含まれる天然の赤色色素成分です。アスタキサンチンは、眼精疲労を和らげたり、目のピント調節機能を改善したりする働きがあります。
岐阜薬科大学薬効解析学研究室の研究では、1日12mgのアスタキサンチンを4週間摂取したところ、眼精疲労のレベルが1/3に減少したとされており、アスタキサンチンが眼精疲労の改善に役立ったことが明らかになったのです。
※参考:[PDF]ビルベリー由来アントシアニンが目に与える機能性
緑内障の原因となる眼圧上昇は、眼精疲労などにより目の血流が悪くなることでも引き起こされることが分かっており、アスタキサンチンの充分な摂取は、緑内障の予防や進行抑制に効果が期待されています。
眼精疲労への働きだけでなく、アスタキサンチンが持つビタミンCの6,000倍にも相当する高い抗酸化力も注目したいポイントです。
東北大学の研究により、65歳以下の男性において、抗酸化力が低い場合に緑内障が重症化しやすいことが明らかとなりました。このことから、抗酸化力を高めることが緑内障治療の一助になる可能性があると期待をされています。
※参考:東北大学「2017年 | プレスリリース・研究成果 抗酸化力と緑内障重症度との関係を解明」
一重項酸素消去活性
溶媒:DMF/CDCl3 (9 : 1)※
ビタミンC
0.89
アスタキサンチン
5,400
β-カロテン
1,100
ゼアキサンチンは、ルテインの一部構造が変化したもので、網膜の中央部にある黄斑部に多く存在しています。黄斑部は活性酸素のダメージを受けやすい部分で、加齢黄斑変性症や緑内障などの眼病を発症する場合も。
アメリカの国立衛生研究所の研究によると、ゼアキサンチンとルテインを摂取し続けたグループは、摂取していないグループに比べ、加齢黄斑変性症や白内障のリスクが低くなったことが報告されています。
ゼアキサンチンは、同じく黄斑部に多く存在しているルテインと共に、活性酸素を消去し、酸化ストレスによる眼病を予防するだけではなく、パソコンなどのブルーライトや紫外線ダメージから目を守ったりする働きもあります。
※参考:機能性表示食品におけるルテインとゼアキサンチンの科学的根拠
アントシアニンは、ポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用をもつのが特徴です。
ブルーベリーをはじめとした果実や紫色の食材に多く含まれています。
アントシアニンは、その抗酸化作用の他にも、血行改善作用があり、これらの作用によって目の細胞や視神経を保護、緑内障の進行抑制やその他の目のトラブル改善に効果が期待されています。
またアントシアニンは、光の刺激を脳に伝えるロドプシンという成分の代謝に深く関わっており、不足するとロドプシンが減少し、視力の低下などのトラブルを引き起こす場合もあるようです。
ルテインは、カロテノイドという黄色い色素成分の一種で、網膜の中心部・黄斑という部分に多く存在しています。
人間の体では作り出すことができない成分であるため、食事やサプリメントからの摂取が必要です。
ルテインは、強い抗酸化力により、目を酸化ストレスから守ることで緑内障の予防や進行抑制に関わっています。
また、黄色い色素であるルテインは、補色である青色の光を吸収する働きもあり、パソコンやスマートフォンから発せられるブルーライトから目の機能を守る働きもあるようです。
ビタミンAは、光の刺激を脳に伝えるロドプシンという物質の材料として欠かせない栄養素です。
ビタミンAは、比較的様々な食材から摂取することができますが、不足すると眼精疲労などになりやすくなり、緑内障の発症や進行にも関わってくるともいわれています。また、暗い場所で物が見えにくくなる夜盲症を引き起こす場合も。
ビタミンAは、抗酸化作用もあるため、緑内障以外にも加齢によって生じやすい眼病の予防にも効果が期待できそうです。
ビタミンB群は、全部で13種類ありますが、そのなかでも特に、ビタミンB1、B2、B6が目の健康に深く関わってる栄養素となります。
B1、B2は網膜や視神経の働きを高めたり、眼精疲労の緩和などに働くことで、緑内障の予防や進行抑制に関わっている成分です。
B6は直接的に緑内障に関わるわけではありませんが、目の組織を作る際に必要なタンパク質の合成に関わる成分であるため、目の健康を守る上では欠かせないものとなっています。
ビタミンCは、「抗酸化ビタミン」といわれるほど、抗酸化作用の高い栄養素です。
紫外線による酸化ストレスから目の組織を守ることで、緑内障の予防や進行抑制、その他加齢による酸化ストレスが関係する目のトラブル改善などに関わっています。
亜鉛はタンパク質の合成に欠かせないミネラルです。肉類、魚介類、大豆製品など様々な食材に含まれています。
亜鉛は網膜の中心部にある黄斑という部分が正常に機能するために欠かせない成分です。亜鉛の不足などにより黄斑部がダメージを受けてしまうと、加齢黄斑変性症をはじめ、緑内障など加齢に伴う目の病気やトラブルが起こりやすくなります。
また、亜鉛不足は、夜盲症や眼精疲労を引き起こすことも明らかになっていることからも、目の健康には欠かせない成分であるといえるのです。
DHA(ドコサヘキサエン酸)は不飽和脂肪酸で、体内ではEPA(エイコサペンタエン酸)から変換されます。EPAは体内で合成できないため、体外から摂取が必要です。DHA・EPAともに、いわしやまぐろなど魚類に多く含まれています。
網膜の脂肪酸の約40%をDHAが占めており、DHAの摂取が視力向上につながると言われています。
また米国の研究によると、DHA・EPAの摂取量が多い人の緑内障リスクが低いことが示唆されており、緑内障予防への効果も期待できます。
緑内障をはじめ、糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症、白内障、老眼にドライアイ…加齢に伴って生じる目の病気やトラブルは増えていきます。その予防や進行を防ぐためのセルフケアとして利用している人も多い「アイケアサプリ」には、様々なものがあるようです。
目のケアに役立つ成分として、アイケアアプリによく配合されているのが「アントシアニン」「ルテイン」の2種類。どれも科学的根拠に基づいた安全性・機能性の表示が認められている成分です。
これらの成分を配合した商品は年々増加しています。目のケアのためにサプリメントを選ぶ際には、しっかりと吟味し、自分に必要な成分をしっかりと補給できるサプリメントを選びましょう。
ドラッグストアなどで販売されているイメージの強いサプリメントですが、緑内障の治療効果の向上を目的として医療機関から紹介されているものもあります。
眼科で行う緑内障の治療は、あくまで「眼圧上昇の抑制」が主であり、目の健康そのものに対してではありません。
緑内障の予防や進行抑制にはきちんとした治療や定期健診を受けることが大前提ですが、眼圧の数値だけでなはく、目そのもののケアがもちろん大切です。
目のセルフケアの1つとして、目に良い成分を含むサプリメントを毎日の習慣として食生活に取り入れてみるのがおすすめです。