最終更新日:2020年4月09日
緑内障には2つのタイプがあり、タイプによっては飲んではいけない薬があります。緑内障の人が飲んではいけない薬の種類やその理由についてみてみましょう。
「緑内障から目を守る」編集部が実施した、緑内障患者100名へのアンケートでは、このような経験が集まりました。(※2020年3月に株式会社アスマークにてインターネット調査)
緑内障には2つのタイプがあるのを知っていますか?房水の出口(隅角)の広さで分けられるのですが、隅角が狭いタイプの緑内障の場合には、控えなければならない薬が存在するのです。
薬の中には「散瞳(さんどう)作用」といって、瞳孔を拡大させる作用をもつものがあります。風邪薬、抗不安薬、抗うつ薬、アレルギー薬、睡眠薬、気管支拡張薬、心臓疾患薬などに多い「抗コリン薬」です。隅角が狭いタイプの緑内障の人が抗コリン薬を服用してしまうと、散瞳作用によって隅角が閉塞してしまうことがあり、緑内障発作のリスクが生じます。発作が起こると早急な手術が必要になり、場合によっては失明につながる恐れがあるのです。
このようなことから、緑内障の人は、自分の緑内障のタイプや注意すべき薬などを主治医に尋ね把握しておくと、他科受診の際にも、医師や薬剤師に相談しやすいでしょう。
ステロイドを含む薬は、眼圧を上昇させるリスクがあるため、どちらのタイプであっても注意が必要です。個人差があるため一概にはいえないのですが、ステロイド薬を用いた治療を受けている場合には、定期的に眼圧を測定するようにしましょう。
抗コリン薬は、散瞳作用、眼圧上昇作用があるため、隅角が狭いタイプの緑内障では使用を控えるべきとされています。ただし、レーザー虹彩切開、周辺虹彩切除、白内障などの手術で隅角が広くなった場合には使用が可能です。隅角が広いタイプではこのような問題はありません。
ベンゾジアゼピン系が大半を占める睡眠薬・精神安定剤は、弱いながらも抗コリン作用があるとされ、緑内障禁忌となっています。
風邪薬や鎮咳薬、気管支拡張薬の中には、抗コリン作用をもつ薬が多く、緑内障の人は服用に注意が必要なものがあります。
基本的には、隅角が狭いタイプの緑内障の場合が該当するようですが、例として挙げた薬以外にも、緑内障禁忌という薬はありますので、薬の服用が必要な場合には、医師や薬剤師によく相談の上服用することをおすすめします。