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アスタキサンチン

最終更新日:2022年2月15日

緑内障の進行を予防するには、日常の食生活に「目に良い栄養」を取り入れることも大切です。ここでは、強力な抗酸化作用で目の健康を守る「アスタキサンチン」という成分をご紹介します。

アスタキサンチンの特徴とは

アスタキサンチンとは、サケの切り身などに含まれる赤い色素のことです。

動植物の中に存在する赤や黄色の色素を総称して「カロテノイド」と呼びますが、アスタキサンチンはカロテノイドの中でも極めて強い抗酸化作用を持つことで知られています。一説によれば、同じカロテノイドの仲間であるβ-カロテンの役5倍、抗酸化作用を持つビタミンの代表格であるビタミンEのおよそ1,000倍にも相当するとのこと。

さらに、アスタキサンチンには、抗炎症作用やストレス抑制作用、目や脳などの機能を高める作用もあることが分かっています。そして、その中でもとくに注目を集めているのが、目の疲労回復を助けてくれる作用です。

アスタキサンチンの緑内障への働き

目の血流を改善する

アスタキサンチンには、眼球の中の光を感じる部分である「網膜」の血行を良くする効果があることが分かっています。

緑内障の原因には、「眼圧の高さ」のほかに「血行の悪さ」も関係していると考えられています。目の血流が何らかの原因によって滞ると、視神経に酸素や栄養がきちんと送られなくなり、視野の欠けなどの症状につながってしまうのです。

このように、眼圧が正常範囲内であるにも関わらず血行不良によって視野の狭窄を起こす緑内障のことを、「正常眼圧緑内障」といいます。正常眼圧緑内障は日本人に多く、緑内障全体の6~7割を占めるとも言われています。

また、アスタキサンチンには網膜の血行を促す作用があることが明らかになっています。視神経に十分な栄養を送る手助けをしてくれるアスタキサンチンは、緑内障の予防や進行の抑制に役立つと考えられるのです。

アスタキサンチンが持つ高い抗酸化力

東北大学大学院医学系研究科眼科学分野の発表によると、65歳以下の男性において、抗酸化力が低い場合に緑内障が重症化しやすいことが明らかになりました。以下、同大学が発表した内容を要約します。

東北大学発表の要約

日本人における中途失明の原因の第一位が緑内障。現状、唯一エビデンスが明らかな緑内障の治療法は眼圧下降療法ですが、日本人の緑内障患者の多くは眼圧が正常範囲であるため、日本人に発症する緑内障の多くは、眼圧以外の因子が関与していると推測されていました。

この主要な因子と考えられるのが酸化ストレス。体内で発生した活性酸素が自身の持つ抗酸化力を上回ることにより、タンパク質や脂質、核酸などを阻害して緑内障を誘発する、と東北大学では推測し研究を進めました。

研究の結果、65歳以下の男性において、抗酸化力が低い場合に緑内障が重症化しやすいことが判明。研究成果が今後の緑内障治療の一助になることが期待されています。

※参考:東北大学「2017年 | プレスリリース・研究成果 抗酸化力と緑内障重症度との関係を解明」

高い抗酸化力を持つアスタキサンチン

すでに説明している通り、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンは、高い抗酸化力を持つ成分として知られています。

緑内障治療におけるアスタキサンチンの有効性については、今後の研究が待たれるところです。

アスタキサンチンの研究開発を行っているアスタリール

アスタリールHP

引用元:アスタリール株式会社HP

大学や民間など多くの機関で研究が進められているアスタキサンチン。とりわけ積極的にアスタキサンチンの研究開発を行っている企業として、アスタリール株式会社が知られています。

日本のみならず、アメリカやヨーロッパ、オセアニアなど、世界中に多くの拠点を持ち、20年以上にわたってアスタキサンチンの研究を重ねてきた企業です。

今までアスタリールがリリースしてきたアスタキサンチンの魅力や研究データを知りたい方は、同社が公開している「アスタキサンチンラボ」をご確認ください。

アスタキサンチンの魅力が誰にでも伝わるよう、とても分かりやすい言葉で説明されているサイトです。

さらに詳しくアスタキサンチンを知りたい方は、アスタリールの公式HPを参照してみると良いでしょう。

アスタリール株式会社HPを見てみる

アスタキサンチンの緑内障以外の目の病気への働き

疲れ目の改善

アスタキサンチンは、疲れ目の緩和にも役立つといわれています。

目のピント調節には、眼球内の「毛様体筋」という筋肉が深くかかわっています。この筋肉が収縮したり緩んだりすることにより、目のレンズにあたる水晶体の厚さを調節し、見たいものにピントを合わせることができるのです。

ところが、目を酷使すると毛様体筋は疲労し、ずっと緊張(収縮)したままの状態になってしまいます。すると、ピントの調節がうまくできなくなり、「目がしょぼしょぼする」「目の奥が痛い」といった、いわゆる疲れ目の症状を起こしてしまうのです。

アスタキサンチンの血流改善作用は、緊張した毛様体筋を緩め、回復を早めることにもつながります。眼科医師による試験でもはっきりとした効果が示されており、アスタキサンチンの眼精疲労に対する機能性表示の根拠の一つとなっています。

※参考:

紫外線ダメージの改善

アスタキサンチンの抗酸化作用は、紫外線ダメージによる眼病の予防にも役立つことが期待されています。

紫外線を浴びると、目の表面や内部では活性酸素の一つである「一重項酸素」が発生します。一重項酸素は強い酸化作用をもつ物質であり、白内障や黄斑変性症といった、さまざまな目の病気の原因になると考えられています。

そして、この一重項酸素を消去する作用を持つのがアスタキサンチン。アスタキサンチンを摂取することにより、紫外線によって起こる幅広いトラブルを抑制できると考えられるのです。

アスタキサンチンを含む食べ物

アスタキサンチンを多く含む食品として、特に知名度の高い鮭。特に含有量が多いのは紅鮭で、100gあたり2.7mgのアスタキサンチンが含まれています。

そのほか、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、目のうるおい維持や視力回復に役立つDHA・EPAといった栄養も豊富。旬である秋はもちろん、年間を通して積極的に食べたい食材です。

エビ

エビを加熱した時の鮮やかな赤色は、アスタキサンチンによるものです。例えば、クルマエビなら100gあたり2.81mg、サクラエビなら100gあたり7.15mgのアスタキサンチンが含まれています。

なお、しっかりと摂取するためには殻や尾まで残さず食べる必要があります。唐揚げやガーリックシュリンプなど、殻ごとおいしく食べられるような方法で調理するとよいでしょう。

アミエビ(オキアミ)

プランクトンの仲間であり、100gにつき13mgのアスタキサンチンを含むアミエビ。従来は釣りの餌などに多く用いられてきましたが、栄養が豊富であることから食材としても注目を集めています。

アミエビは乾燥した状態で売られていることが多いため、サラダなどにふりかけるだけで手軽に食べられるのが嬉しいところ。アスタキサンチンのほか、目の粘膜の健康や視覚機能の維持に必要なビタミンAも豊富です。

カニ(毛ガニ)

毛ガニの身の部分には、100gあたり1.11mgのアスタキサンチンが含まれています。また、アスタキサンチンと同じく抗酸化作用を持つビタミンEや、抗酸化物質のはたらきを助けるミネラル「セレン」、角膜の修復や網膜機能の改善に効果があるとされるタウリンなども豊富です。

また、毛ガニは100gあたり72kcalと低カロリーな食材でもあります。できるだけヘルシーな食事を摂りたい時も、気兼ねなく食べられる点が嬉しいですね。

キンメダイ

高級魚として知られるキンメダイには、100gあたり2~3mgのアスタキサンチンが含まれています。なお、アスタキサンチンは皮の部分に多く含まれているため、食事に取り入れる際は皮ごと食べるのがおすすめです。

また、キンメダイには、目の血流を促したり、緑内障やドライアイを予防したりする効果が期待されているDHAやEPAも比較的豊富に含まれています。身は煮付け、頭などの部分は潮汁やあら汁に調理して、栄養を余すことなく摂取しましょう。

いくら

いくらの美しい赤色は、アスタキサンチンによるものです。また、目を健やかに保つはたらきがあるビタミンAや、眼精疲労などの改善をサポートしてくれるビタミンB群、アスタキサンチンと同じく抗酸化作用を持つビタミンE、目の血流や潤いの改善に効果が期待されるDHA・EPAなど、目にとって役立つ様々な成分が含まれています。

ただし、アスタキサンチンの含有量は、100gあたり0.8mgとさほど多いわけではありません。また、塩分やコレステロールも高めの食材であるため、たまに楽しむ程度に留めるとよいでしょう。

1日のアスタキサンチンの摂取目安量

2020年6月現在では、日本国内におけるアスタキサンチンの摂取基準ははっきりと定められていません。サプリメントなどに示されている1日あたりの摂取目安量はメーカーによってまちまちですが、6~12mg程度としている製品が多いようです。

一部の研究では、アスタキサンチンを4mg摂取したグループと12mg摂取したグループでは、12mgを摂取したグループのほうが目の機能回復効果が高まった(※)という結果も出ています。なお、動物やヒトにおける摂取実験でもこれといった悪影響がみられなかったことから、日本国内においてはアスタキサンチンの1日あたりの摂取上限は設けられていません。

一方、日本以外では、アスタキサンチンの1日摂取上限量を、体重1kgあたり0.034mgと低めに定めている国も。とくに、サプリを利用する場合は過剰摂取を防ぐため、用法・容量をきちんと守ることが大切です。

※参考:アスタキサンチンによる視機能の変化
欧州食品安全機関(EFSA)、動物栄養中の色素(アスタキサンチン)使用の安全性に関する科学パネルの意見書を公表

サプリメントでアスタキサンチンを摂取

アスタキサンチンに限らず、栄養は食事によって摂取するのが理想です。しかし、「毎日一定以上の量を確実に採りたい」という場合は、食事のみでカバーするのが難しいことも。

例えば、6mgのアスタキサンチンを摂取したい場合、鮭の切り身であれば2~3切れ程度を食べなければなりません。物理的に不可能な量でこそありませんが、毎日続けるにはなかなか難易度が高いといえるでしょう。

そんな時に、手軽にアスタキサンチンを補えるのがサプリメントです。生活スタイルに合わせて自分に合った商品をチョイスできるほか、出張や旅行などの際にも続けられるというメリットも。

食生活は、バランスが大切です。不足する栄養はサプリを利用して上手に補いつつ、賢く健やかな毎日を送りましょう。

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