最終更新日:2020年4月15日
近年の調査により、タバコに含まれる有害物質が緑内障の進行に悪影響を与えることが明らかになっています。その理由を中心に、緑内障と喫煙の関係をみていきましょう。
緑内障は眼圧の上昇が大きな原因とされていますが、眼圧の上昇・下降には生活習慣が深く関わっているとされています。喫煙習慣もその1つです。
2000年~2001年にかけて実施された、某総合病院・人間ドック受診者(29~79歳の男女569名)を対象とした調査結果によると、BMI(肥満度)、アルコール摂取頻度、タバコの摂取量が増加するに従って、有意に眼圧が上昇傾向にあることが分かりました。
特にタバコについては、緑内障に限らず健康への悪影響も大きいことから、禁煙・節煙など、なるべくタバコを控えることが望ましいとされています。
「緑内障から目を守る」編集部が実施した、緑内障患者100名へのアンケート調査によると、喫煙者は全体の30%程度です。(※2020年3月に株式会社アスマークにてインターネット調査)
平成30年度の厚生労働省調査によると、病状関わらず全国の喫煙者の割合は17.8%のため、緑内障患者の喫煙率30%は高いといえます。
※参考:厚生労働省の最新たばこ情報|成人喫煙率(厚生労働省国民健康栄養調査)
眼圧が上がった | 42% |
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眼圧が下がった・維持している | 24% |
視野欠損が進行した | 47% |
視野を維持している | 22% |
直近1年間の緑内障の数値の推移を分類し、それぞれの喫煙率を調査したところ、やはり数値が悪化した人の喫煙率は高いことが分かりました。
タバコには、ニコチンという化学物質が含まれており、強い血管収縮作用があるため、全身の血流に悪影響を及ぼします。目も例外ではありません。
目の静脈圧が上昇し、眼圧も上昇をまねき、視神経にもダメージを与えて、緑内障を悪化させてしまいます。
緑内障や体のことを考えれば、禁煙したほうがいいことは明らかでしょう。しかし、タバコを吸う理由は人それぞれあると思いますので、「今すぐ禁煙」というのではなく、可能な範囲で節煙を意識するところから始めてみてはいかがでしょうか。
緑内障にタバコは悪影響を及ぼすため、禁煙するに越したことはありませんが、簡単にスパッと禁煙するのは難しいものではないでしょうか?
タバコがやめられないというのであれば、視神経をケアする習慣を取り入れてみましょう。
例えば食事。ビタミンAやB群は視神経の働きや目の健康をサポートする作用がありますので、これらを意識した食事がおススメです。
また、目の毛細血管の健康に関わるビタミンCは喫煙すると大量に失われてしまうため、こちらも積極的に摂取したい成分といえます。