最終更新日:2020年4月15日
緑内障は、40歳以上の20人に1人が罹患しているといわれています。きちんと治療を受け、目をケアしていれば失明に至ることは少ないとされていますが、緑内障は日本人の失明原因として最も多い疾患となっています。
※白神史雄 : 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究 平成28年度 総括・分担研究報告書 : 32, 2017より
緑内障と診断されて、真っ先に失明の不安に襲われた人もいることと思います。実際に緑内障の人たちの様子をお伝えします。
「緑内障から目を守る」編集部が実施した、緑内障患者100名へのアンケートによると、失明への不安を抱えている人は73人おり、約7割に及びました。(※2020年3月に株式会社アスマークにてインターネット調査)
同アンケートで直近1年間の視野検査で、悪化が見られた人は全体の2割程度でした。緑内障の人が皆、すぐに視野欠損の進行が進んでいくわけではありません。
ただし視野欠損の進行が見られた21人のうち、正常眼圧の人(眼圧値10~21mmHg)は13人、高眼圧の人(眼圧値22mmHg~)は8人です。いまの眼圧が正常値であっても、油断はなりません。
緑内障になったからといって、必ずしも失明してしまうわけではありません。実際に失明に至ってしまう人は少数で、きちんと治療を受け、眼圧のコントロールや視神経のケアをしていくことで進行を予防・抑制することができます。
緑内障は早期発見・早期治療をすることで、その後の経過も大きく異なってきます。緑内障はなかなか自覚症状が現れにくく、進行状態も分かりにくい疾患ですが、定期的な検査をすることで、進行を抑えながら付き合っていくことが可能です。
一度失ってしまった視野を元に戻すことはできませんが、まだ残っている視野を守ることはできます。緑内障になったからといって過度に落ち込むのではなく、進行を防ぐための治療や自分にできるケアをしていきましょう。
緑内障と診断された人の中で失明に至る人は少数で、適切な眼圧コントロールや視神経のケアを行なっていれば過度に恐れる必要はありません。治療結果が思わしくないなどの原因がある場合でも、失明には10~20年程かかるといわれています。
アンケートに回答した100名の、緑内障を発症してからの期間をまとめました。緑内障になって10年以上経つ人が22%(22名)と1番のボリュームゾーンです。
本アンケートがネット調査のため、緑内障になって10年以上経っても、パソコンやスマートフォンを問題なく使用しているということが分かります。
(※2020年3月に株式会社アスマークにてインターネット調査)
私も緑内障と分かってから20年弱経ちましたが、悪化せずにキープできています。(編集部員:関口さん)
急性緑内障発作とは、何らかの理由で房水の通り道である隅角が閉塞して現れる発作のことをさします。風邪薬や睡眠薬など、抗コリン作用のある薬の服用によるケースもあるようです。
目の痛み、頭痛、吐き気、目のかすみなどの症状を伴うことが多く、早急な処置が必要となります。
発作の処置が遅れれば遅れるほど、視神経へのダメージが大きくなり、場合によっては数日で失明に至ることもありますので、違和感を感じたら我慢せずなるべく早く受診するようにしましょう。
緑内障=失明ということではありませんが、失明の最も多い原因が緑内障であることは事実です。きちんと治療を受け眼圧のコントロールをしていけば進行を防ぎながら付き合っていける疾患ではありますが、失明リスクの不安がぬぐい切れない場合には、治療以外に自分でできるケアを取り入れるのもよいかもしれません。