最終更新日:2020年4月15日
仰向け・うつ伏せ・横向き…これら寝る姿勢によっても、眼圧は変化するといわれています。緑内障の進行を予防には、眼圧を上げないことが重要。ここでは、緑内障の人に適した寝る姿勢や寝方をご紹介します。
緑内障かどうかは関係なく、一般的に眼圧は座っている時よりも横になっている時の方が高くなるといわれています。
日本人に多い正常眼圧緑内障の場合には、座っている時と寝ている時の眼圧差が大きいほど視野障害の進行が生じやすくなります。
座っている時よりも寝ている時に眼圧が上がりやすいことを考えると、緑内障の場合は、寝る姿勢にも気をつける必要があるといえるでしょう。
寝る姿勢には、仰向け寝・うつ伏せ寝・横向き寝など、人それぞれ好みが分かれるものですが、これらの寝る姿勢によって眼圧の上昇幅は異なるといわれています。
仰向け寝は天井を向いて寝る姿勢なので、両目とも圧がかかることがありません。そのため、寝る姿勢の中では最も眼圧が上がりにくいとされています。
仰向け寝の真逆、うつ伏せ寝は比較的眼圧が上昇しやすい寝方です。うつ伏せ寝は、布団側に顔を向けて寝る姿勢ですので、両目が下向きの位置になります。そうすると圧力がかかり、眼圧が上昇してしまうのです。
横向き寝は、左右いずれかの側を下にした寝方で、多くの人の場合、左右バランスよく横向き寝するという人は少ないのではないでしょうか。横向き寝をしていると、どちらか一方だけがいつも下側になってしまい、下側になっている目に圧力がかかります。そうすると、圧力がかかっている側の目の眼圧が上昇する可能性があります。
緑内障の進行予防には、なるべく眼圧差が生じないようにすることが大切です。だからといって、座ったまま睡眠をとるなんてことは現実的ではありませんよね。
睡眠は、健康な心身を維持するために必要不可欠なものです。眼圧を気にすることももちろん大切ですが、何よりもまずは気持ちよくぐっすり眠ることが重要です。
その上で、うつ伏せ寝や横向き寝の習慣がある人は、少しでも就寝時の眼圧上昇を抑えるために、なるべく仰向け寝でも熟睡できるように意識していきましょう。
私も緑内障なのですが、仰向けで寝たくても、どうしても寝返りを打ってしまいます…。(編集部員:関口さん)
就寝中は無意識で楽な寝方に体を動かしてしまうため、コントロールするのは難しいものです。そういった場合には、就寝時に使う寝具を工夫し、仰向け寝が一番楽だと感じられる環境をつくることが有効です。
例えば枕。高さや硬さ、形を合わせるだけでだいぶ寝る姿勢が変わってくるといわれています。最近では、簡単にオーダーメイドの枕を作ることもできますので、仰向け寝が楽になる枕を作ってみるのもよいかもしれません。
また、うつ伏せ寝になりやすい人には、抱き枕もおすすめです。抱き枕があることで、完全にうつ伏せになるのを防ぐことができます。
仰向けで寝たくても、寝返りをうつのを辞めるのは難しいです。それなら寝る姿勢と起きている時の姿勢の眼圧差が少なくなるように考えてみましょう。つまり、日常生活の姿勢の注意です。
「緑内障から目を守る」編集部が実施した、緑内障患者100名へのアンケート調査によると、日常の姿勢を注意して緑内障対策をしている人は全体の10%(10名)でした。(※2020年3月に株式会社アスマークにてインターネット調査)
たった数名のデータではありますが、この10名のうち直近1年間の眼圧数値が上がった人は2名。その他の人は眼圧の数値が維持されています。維持していた8名が改善した姿勢はこちらです。
やはり寝る姿勢より、起床時の姿勢を注意する人が多いようです。
また、この8名は姿勢だけでなく、食生活の改善やパソコン利用を控えるなど、複合的に対策を行っていることも分かりました。一部での対策ではなく、目に良い生活を多く取り入れることが進行抑制につながるのではないでしょうか。