最終更新日:2021年1月26日
緑内障の予防や進行をゆるやかにする手段として、適度な運動を日常生活に取り入れることが良いとされています。こちらでは緑内障と運動との関係や、緑内障によい運動法を紹介します。
適度な運動は、どうして緑内障の予防や進行緩和へつながるのでしょうか。
緑内障は遺伝的な要素があると言われていますが、それ以外にも近視や加齢、喫煙、糖尿病、高血圧、自律神経失調症といった複数の要因が絡まって起こるとされています。遺伝的要素は先天的なものですが、生活習慣病や自律神経失調症などは、ライフスタイルやストレスに気をつけることで回避できるものです。
適度な運動を継続的に行うと、眼球周辺の血流が促進されて視神経のコンディションが整い、眼圧を下げてくれます。また生活習慣病になりにくい体作りにも貢献します。
眼圧は立ったり座っている体勢よりも、うつ伏せの状態(伏臥位)の方が上昇すると言われています。研究論文の中には、一般的運動と差異は無かったという発表もありますが、既に緑内障の方は、腕立て伏せや逆立ちなどは避けたほうがよいでしょう。
また短距離走やウエイトリフティングなどの無酸素運動は、心拍数が急激に上がって眼圧上昇に影響を与える恐れがあるので避けてください。
緑内障予防のためのスポーツは、日常的に体を温め、全身の血行や血流を良くすることを目的としているので、長く続けられるタイプの運動であることが大切です。無理をせず、日常生活に少しずつ運動を取り入れてることが長続きのコツです。気張らず、気軽にできる運動からスタートしましょう。
日常生活に取り入れやすい例では、朝起きてからのストレッチ、通勤時のウォーキング、テレビなどを見ながら体を動かすなど「生活に無理のない範囲」のもの。また「運動できない日」があってもOKです。毎日運動することを義務づけてしまうと、それがストレスになってしまいます。
こちらで紹介する運動は、どれも日常に取り入れやすいスポーツです。体を動かすことに慣れて楽しくなったら、徐々に運動時間やスポーツの幅を広げていきましょう。
ウォーキングは有酸素運動のひとつです。体内に酸素を取り入れて脂肪を燃焼させる有酸素運動であると同時に、身体に大きな負担をかけずに始められるので、運動が苦手な人でも続けやすいスポーツ。
ウォーキングのための時間を設けるのが理想的ですが、まずは通勤の最寄り駅やバス停をひとつ先にしたり、少し遠くのコンビニに買い物へ行ったりなど、歩く距離を伸ばすことから始めましょう。
ウォーキングの際は、ダラダラ歩くのではなく、姿勢を正して歩幅を広めにテキパキ歩くのが脂肪燃焼のポイントです。
限られた場所でできるストレッチも、無理なく生活に取り組むことができる運動です。朝起きたあと、テレビを見ながら、お風呂上がりなどのちょっとした隙間時間に行えるのもポイント。固くなった筋肉や関節が伸びて柔らかくなると、体がスムーズに動くようになり、血行も促進されます。
首や肩周辺の筋肉を伸ばすストレッチです。座り仕事、PCやスマホの見すぎなどに有効です。
基本的な姿勢は崩さずに首回りを伸ばしましょう。
呼吸法や姿勢を大切にするヨガは、心身の緊張を解きほぐしてくれる運動です。肩こりや腰痛、頭痛、冷えなど慢性的な症状や体幹を矯正し、ヒトが本来持つ自然活力を取り戻させてくれます。
バッダコナアーサナのポーズは、股関節と内腿、骨盤周りをほぐすポーズです。東洋医学で、骨盤周りと目は密接に関係していると言われ、骨盤周りをほぐすことで上半身の血流を促進します。
過度な筋トレは眼圧に悪影響を及ぼす可能性がありますが、呼吸法に気をつけて行う適度な筋トレは、筋肉量をアップして代謝を上げてくれます。40代以降になると、下半身の筋肉量は大きく下降します。お尻や太ももの筋肉など下半身を中心に、筋トレを行いましょう。
両足を肩幅に広げて、つま先は真っすぐ前に向ける基本姿勢からスタートします。
上半身を下した時に、膝がつま先より先に出ないようにチェックしましょう。
今までに挙げたような運動のほか、眼やその周辺の血行をよくするようなツボ押しも試してみましょう。詳しくは下記のページで紹介しています。