最終更新日:2025年10月06日
緑内障は、目のかすみや痛みなどの症状が現れにくく、病状が進行するまで気づかない方が少なくありません。視野が欠けるようになり、眼科を受診して気づくパターンが多いです。
40歳以上になると、緑内障発症のリスクが高まるため、自覚症状がなくても眼科を受診して定期健診を受けるようにしましょう。
以下のような基礎疾患がある方や環境にある方は、緑内障になりやすいと言われています。
上記のような持病がある方や、身内に緑内障を患っている方がいる場合、緑内障発症のリスクが高いと考えられます。そのため、生活習慣に気を付けたり、目の定期健診を受けたりする習慣をつけておくとよいでしょう。
緑内障予防に役立つ対策について、詳しく解説していきます。「今すぐできそうなこと」から取り入れてみてください。
緑内障は眼圧上昇以外にも血流障害が関係しています。緑内障を予防していくためには、目の粘膜を守ったり、血流を改善したりする働きのある食材を意識的に摂取していくことが必要です。以下の食材をバランスよく取り入れてみるとよいでしょう。
※参考:医学専門ジャーナル「緑内障における眼血流改善治療の可能性」
ビタミンAが不足してしまうと、目の乾燥や充血などをきたしやすくなります。健やかな状態を維持していくためには、ニンジンや小松菜、ほうれん草、うなぎなどビタミンAを豊富に含有している食品を取り入れていくのがおすすめです。
一般社団法人日本生活習慣病予防協会のサイトには「ほうれん草やキャベツなどの青菜類を毎日摂取すると、緑内障のリスクを最大で20%も下げることができた」という結果が出ています。偏りなくさまざまな食材を摂取してみるとよいでしょう。
ビタミンB群が不足すると、視神経に支障をきたす可能性があったり、目の充血や眼精疲労を生じやすくなったりします。そういった状態を防ぐため、豚肉やカツオ、マグロ、卵、納豆、バナナなどのビタミンB群を摂取してください。
ビタミンCには抗酸化作用があり、水晶体を若々しく保つ働きがあります。ビタミンCを豊富に含有しているキウイやイチゴ、グレープフルーツ、キャベツ、小松菜などの食材を意識的に取り入れていくのがおすすめです。
アーモンドやほうれん草などの食品にはビタミンEが豊富に含まれており、血流を促してくれるため、健やかな状態を維持しやすくなります。
DHAやEPAが豊富に含まれるサンマやイワシなどの魚を摂取すると神経細胞の働きをサポートし、視力回復の手助けをしてくれます。EPAとDHAが豊富に含まれている魚類を積極的に摂取していくことがおすすめです。
ポリフェノールの一種であるアントシアニンは、カシス・アサイベリー・ブルーベリーなど、紫色の果実に含まれる成分です。強い抗酸化作用を持ち、日常生活で蓄積された酸化ストレスから体を守り、保護する役割を担っています。
さらにアントシアニンには、毛細血管の血流をスムーズにする作用もあり、視神経の血流改善による眼圧上昇を抑制するとも言われています。
日本においてはアサイベリーは貴重な果物で、海外では生の輸出は禁止されています。生のアサイベリーを入手するのは難しいため、アントシアニンはサプリメントとして摂取するのが主流な成分です。
ルテインは、カロテノイドという黄色系色素成分の一種で、ケールやホウレン草、ブロッコリーなどに多く含まれています。ヒトの体内にも存在し、とくに目の水晶体や網膜の黄斑部に多く分布しているのが特徴です。ルテインの役割は、眼の老化を引き起こす活性酸素を抑制したり、ブルーライトや紫外線などの有害な光を吸収したりして眼を守ること。そんなルテインは、科学的な根拠によって「眼の機能をサポート」という「機能性表示」に該当しています。
アスタキサンチンは、動植物の中に存在する色素カロテノイドの成分の一種です。エビやカニなどの甲殻類に蓄えられる赤い色素として知られ、カロテノイドの中でも強い抗酸化作用を持っています。そんなアスタキサンチンは、光を感じ取る網膜の血行を良くすることがわかっています。そのため血行不良によって視野が狭くなる「正常眼圧緑内障」の予防や、進行の抑制に役立つと言われています。
ウォーキングやヨガなどの適度な運動は、全身の血流をよくすることが可能です。適度に体を動かしていくと、緑内障予防に役立ちます。
タバコを吸うと血行が悪くなりやすく、緑内障発症のリスクを高めると言われています。緑内障のリスクが高い方は禁煙を目指すのがおすすめです。1人で禁煙するのが難しい場合、禁煙外来を受診して相談するとよいでしょう。
緑内障と白内障という疾患名は似ているために、混合してしまう人もいるようです。緑内障とは、眼球の奥にある「視神経」が圧迫されることで、視野が狭まっていく病気です。白内障は「水晶体」と呼ばれるレンズが白く濁り、ものがはっきり見えなくなったり、かすんで見えてしまう病気のことをいいます。
緑内障と白内障は両方とも目の病気ではありますが、原因や症状、治療法はそれぞれ異なります。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
近視や乱視などに悩んでいる方にとって、日常生活を裸眼で送れるようになるレーシックは魅力的な手術です。レーシックを受けるメリットは、着脱が面倒なメガネやコンタクトレンズから解放されることですが、もしかしたら将来的に緑内障などの病気を誘発してしまうのでは?という心配をする方もいらっしゃるでしょう。
レーシック術を受けたからといって緑内障になることはありませんが、緑内障の検査に影響が出る可能性があります。レーシックと緑内障との関係を知りたい方はこちらのページをご覧ください。
サングラスを「着用する」または「着用しない」が、緑内障の発症に直接関係するわけではありません。しかし角膜や水晶体は、紫外線をじかに受け止めるためにダメージを負いやすく、眼精疲労やドライアイなどを引き起こします。そのため紫外線はやはりカットすべき存在です。
日差しの強い日中に外出する際は、紫外線透過率の低いサングラスを着用して目を保護しましょう。「紫外線透過率1%以下」のレンズがおすすめです。紫外線と緑内障との関係や、サングラスの選び方などを知りたい方はこちらをご覧ください。
緑内障にはいくつかの種類があり、中にはケガが原因で発症するものがあることをご存知でしょうか? これを外傷性緑内障といい、目に強い衝撃を受けたことで引き起こされる緑内障のことを指します。
ケガをして10年以上経ってから緑内障を発症したという事例も報告されており、特に大きなケガをした場合ほどリスクは高くなるため、前房出血を伴うような外傷を負った方は、定期的に眼科を受診して視力や視野、眼圧、眼底の検査を受けなければなりません。